アバクロンビー&フィッチとは
写真:2006年クリスマスシーズンに登場したMark Carroll(20)。撮影はブルース・ウェーバー

アバクロ広告2006 日本でアバクロンビー&フィッチを着ている人は、10代後半から、40〜50代のおじさんまでと、かなり幅広い。でもアバクロといえば、アメリカでは『ティーン・アパレル』として、一般的に認知されています。
 ターゲットはティーンエイジャーから大学生(18〜22歳)。「(年齢オーバーだけど)それが何か?」と思った貴方は私と同類。20代後半でも、30代、40代、いや、とにかく自分が好きなものを着るのが、一番気持ちがいいですね。
 ちなみに私は2007年現在20代後半ですが、以前、知り合いのカナダ人から「アバクロンビーを着るにはちょっと年なんじゃないの?」と言われたことがあります。北米では、そういう風に見られます。
 さて、Abercrombie & Fitch社は、今のところ4つのブランドを展開しています。Abercrombie & Fitch、abercrombie、HOLLISTER Co.、RUEHL No.925※です(※販売不振により2010年1月に終了。また、2008年に下着ブランド『ギリーヒックス』が新たに加わりました)。

[写真下:左上から時計まわりでabercrombie、Hollister Co.、RUEHL No.925、Abercrombie & Fitch。アバクロンビー&フィッチ ウェエブサイトより。]

アバクロと、その姉妹ブランド

 abercrombie(アバクロンビー)は7〜14歳をターゲットにした、いわばアバクロの子供向け。アバクロと同じヘラジカのロゴを使用していますが、ブランド名のAが、小文字でabercrombieと記されます。写真のモデルが、子供向けにしてはちょっとセクシー過ぎますね。
 HOLLISTER Co.は14〜18歳向け。カラフルなカリフォルニア・テイストのサーファー・スタイルを展開。アバクロンビー&フィッチよりも、お手ごろ価格な高校生向けブランドで、Old Navy(オールドネイビー)のような低価格帯ブランドと競うために設けられたと言われています。
 HOLLISTER Co.世代が大学生になれば、今度は18〜22歳向けのAbercrombie & Fitch(アバクロンビー&フィッチ)があります。アバクロは比較的、高所得者層の子供たちをターゲットにしており、決して安価なブランドではありません。もう少し安ければなあと思わずにはいられませんが、これが“ブランド”の対価なのでしょう。
 そして彼らが大学を卒業した後には、RUEHL No.925※(ルール)が控えています。22〜35歳向けのRUEHL No.925はビジネス・カジュアルと革製品を扱う大学卒業生向けのブランドです。(※販売不振により2010年1月に終了)
 こんな具合に、子供から成人になるまでの間、途切れることなくA&Fが放つ洋服に、どっぷり浸かることもできちゃうわけです。上手くできていますね。

 アバクロは、アメリカ国内では既に成熟しきっているようで、成長率は一時に比べれば、それほどでもありません。一方、HOLLISTER Co.とRUEHL No.925にはまだその余地があり、この2ブランドが今のところ、A&F社の成長の主力となっているようです。とはいえ、アバクロは日本を含めた海外展開を控えています。今後、最も成長が楽しみなブランドの一つです。
 さらに現在、5つ目となる新ブランド『CONCEPT5※』が企画進行中。どういったプロダクトラインになるかは、2007年(内)に明かされるようです。一部には、Victoria's Secretのようなランジェリーか、パジャマなどのスリープウェアにフォーカスするのではと噂されています。が、ほかにもアクセサリー、もしくはWilliam-Sonomaのようなホームグッズなのでは……との噂もあるよう。こちらの登場も楽しみですね。(※これが後の下着ブランド『ギリーヒックス』です。)

 ちなみに同社が2000年に放った新ブランド、HOLLISTER Co.(写真右)ですが、A&Fに比べると安価。一時、アバクロンビーアンドフィッチの売り上げが落ち込んだ際、それは顧客がHOLLISTER Co.に流れたからだという、同社2ブランドの『共食い』を指摘するアナリストもいました。
 姉妹ブランドであるHOLLISTER Co.と差別化をはかるため、アバクロは新ラインで高価格帯のEzra Fitchコレクションを2004年秋に導入。手仕上げの革ジャケットや高品質なカシミアセーター、ジーンズやデニム・ジャケットを扱っています。この施策はあたったようで、2005年には売り上げが上がったそうです。







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