カルバン・クラインの広告シリーズを手掛けたことで一躍有名になったブルースですが、手掛ける作品は高く評価される反面、ソフトポルノだと顔をしかめる人も中にはいます。確かに、自分で見る分にはよくても、自分の子供に見せるのはちょっと……という親は多いのではないでしょうか。
その典型的な例が、今はなきアバクロの季刊誌“マガログ”です(“マガログ”の詳細は社会問題の“マガログ”ページをご覧下さい)。
マガジンとカタログの合体版、“マガログ”に散りばめられたブルースによるセミヌード写真は、性に敏感な若者の注目を集める一方、究極の矛盾と捉えられることも。上半身(もしくは全)裸のモデルが洋服を売るのは変な話だと。
また、“マガログ”に登場するのは、背が高く、小麦色に焼け、真っ白な歯と、鍛えられた体の持ち主ばかり。彼らは何も知的なことはやっていません。突っ立ているか、フットボールをしているか。がしかし、最高に格好いいというところが、アバクロ広告最大の訴求ポイントであり、それが全てだという気もします。
移り気で、ファッションの変化が激しいティーンにとっては、服の質より何より、スタイルやイメージの方に重みがおかれるのは当然のこと。そう考えると、性を前面に押し出したブルースの写真によるアバクロの広告展開は、ある意味、的確なのかもしれません。もちろん、常に批判の対象となっていることも事実ですが。
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