しかしその際どさはとまらず、2003年のホリデーカタログ(クリスマスシーズン/冬)で、オーラルセックスに関する記事を掲載し、明らかに一線を越えてしまいます。表紙には“280
PAGES OF MOOSE, ICE HOCKEY CHIVALRY, GROUP SEX & MORE…(280ページにおよぶ、ヘラジカ※、アイスホッケー騎士道、グループセックス、その他いろいろ)”という文字。(※ヘラジカは同ブランドが使用しているロゴです。)
特にAmerican Decency Associationからは強烈に批判されました。アメリカのサイトで“flat-out
pornographic images(あからさまなポルノ写真)”と書かれるぐらいなので、その露出度はかなり極端なものだったと思われます。
カタログに登場するモデルは皆18歳以上ですが、一見するとティーン風。ターゲットは18〜24歳。購入者は18歳以上でIDを提示しなければなりませんが、販売員の多くは18歳以下で見ること自体が許されていません。しかも、その内容はセックスやグループセックスを助長し、美化するようなもの。
結局そのカタログは、「新しい香水“NOW”を置くスペースを確保するため」に、クリスマスシーズンの真最中にリコールされました。小売業者にとっては、かきいれどきのホリデーシーズン。痛い話だったと思います。ちなみにマガログに登場するモデルのほとんどが白人であったことも、非難の対象となりました。
2004年5月には、無料、18歳以下にも販売可能な、おとなしいカタログ(タイトル“young”)へと刷新。しかしそれでも尚、内容はPG-13レベルだと非難する団体もあったようです。アバクロの広報担当は、同カタログを「フォトエッセー」と説明。このリリースにあたっては、まず2004年4月から、少数の季刊誌(quarterly)購読者に向けて配布。翌月5月にリリースを開始しましたが、同社には珍しいほど地味だったよう。しかしその内容は、CCV(Citizens
for Community Values)に言わせると、「高い露出度と刺激的なポーズは、あまりに挑発的過ぎる」。「小売業者は衣類を売るべきであって、ティーンに対しセックスを利用して売るのは無責任だ」、というのが彼らの言い分です。ごもっともです。
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