アバクロは世界で模倣されるトップ10ブランド? 偽物にご用心
写真：WAVY.comより。
米国バージニア州最大の都市ノーフォークで、2009年7月に税関国境警備局が押収した、アバクロ ロゴ入りの偽ジーンズ14,000足。小売価格にして100万ドル（約8,450万円）以上。
「アバクロは世界中で模倣されているアパレルブランドのトップ10に入る」、という事実を御存知ですか？ そうコメントしているのはアバクロンビー＆フィッチ社（以下A&F社）自身。2007年11月末時点での記事（www.dispatch.com）に掲載されているコメントなので、現状は変わりつつあるのかもしれませ。が、偽アバクロには要注意です。大量に出回る模倣品に対処すべく、A&F社は2006年に商標保護プログラムを立ち上げました。重点的に取り組むエリアとしては、中国、台湾、香港、韓国、そして日本。
商標保護チームのブライアン・キム氏は、eBayや人気オークションサイトで販売されているアバクロ模倣品を、日々のネットサーフィンでチェック。キム氏によると、eBayではいつでもアバクロやホリスター、ルール（販売不振により2010年1月に終了）のオークションが3万件程度行われており、A&F社はそのほとんどを、模倣品だと推測。キム氏は「毎日eBayのオークションを何百件と閉鎖しているが、アバクロのオークションは何千件、何万件とある」とコメント。このいたちごっこに終止符を打つのは難しそうです。
2005年、A&F社の商標保護チームは中国の倉庫で29万8000足の偽アバクロジーンズを押収しました。その価値2,000万ドル（約17億円）。しかしその二年後も、ジーンズの処分について中国当局とのバトルに決着が付かない模様。アバクロ側はジーンズを破棄処分したい、中国側はラベルを取り除き再販売したい……。さすが中国、一筋縄では行きません。
2006年度の記事（www.ice.gov）ですが、米国国土安全保障省史上、最大の押収事件のひとつにアバクロの模倣品が登場しています。これは、アリゾナ州、テキサス州、カリフォルニア州の移民税関捜査局、税関国境警備局の調査官たちが合同で行ったオペレーション。押収物の内容は、コンテナ７７個分の偽ナイキ・エア・ジョーダンとアバクロのコンテナで、その価値なんと6,950万ドル（約59億円）。物凄いビジネスですね。
さて、アバクロの模倣品を見かけた場合、もしくは手元にあるアバクロが模倣品と思われる場合ですが、アバクロのホームページによると『当社までお知らせいただければ幸いです』とあります。アメリカ国外の直通電話は+1.614.283.7100。何ヵ国語で受け付けているのでしょうか……英語だけですかね。直接会話はちょっと……という方は、メール（BP_Tips@abercrombie.com）でチャレンジ。
結局、偽物に対するメーカーの回答としては、「これは確かに偽物です。しかし当社の製品ではありませんので、申し訳ないのですが、賠償、補償することはできません」、ということになるのでしょうか。できるだけ正規ルート（直営店かオフィシャルウェブストア）で購入するか、通販購入する際は『本物』である物的証拠（例えば直営店で購入したというレシート）を提示してもらうこと等を、心掛けたいですね。特に、オークションは要注意です！
（2010年8月31日）
偽アバクロを見分ける１０のポイント
写真：アバクロンビー＆フィッチ ウェブサイトより
アバクロの模倣品を見分ける10のポイントがeBay（インターネットの米最大オークションサイト）に出ていますので、ここでもご紹介を。送料を含め、決して安くはない買い物をするわけですから、後から嫌な思いをしないよう、気をつけて下さい。尚、このガイドラインは2008年3月に記載、2009年7月に更新されたものです。日本の事情とは若干異なるかもしれませんが、ご参考まで。①本物のアバクロは、必ずジャケットの右側にジッパーがついています。安い偽物の場合、そのほとんどが左側についています。着用後、ジャケットを見下ろし、自分の右側（右手側）にジッパーがくるのが本物です（写真参照：ジッパーの先にあるつまみが、右手側にくるものが本物）。
②アバクロの品質は優れたものです。糸が出ていたりゆるゆるだったり、縫い目がおかしい、ラインがどうもだらしない……といった場合、偽物である可能性が高いです。③以降のポイントを確認しながら、偽物かどうかを見極めて下さい。
③アバクロ商品が直営店で購入された場合、ビニール袋には梱包されません。アバクロウェブサイトでオンライン購入された場合、必ずアバクロのロゴ入りビニール袋に梱包されます。ロゴのない、ただのビニール袋に梱包されているものを受け取った場合は、偽物の可能性があります。
④アバクロの商品にシミがついていることは、滅多にありません。万が一あった場合は棚からおろされ、それが再販されることはありません。なので、『新品』にもかかわらずシミがある場合、それは偽物である可能性が少なからずあります。
⑤アバクロンビーではスケジュールより先に、春もの、夏もの、秋もの、冬ものを出すことはありません。なので、まだウェブサイト（オンライン）にも登場していないシーズンのものが出ていたら、それは偽物なので近寄らないようにしましょう。
⑥アバクロには多数のビンテージ商品、デストロイド加工が施された商品がありますが、縫い目やライン、仕上がりには特別な注意が払われています。もしも縫い目やラインがガタガタで曲がっている、ゆるい、縫い外れがあるといった場合は、偽物の可能性があります。
⑦アバクロは卸売り、転売（再販売）、在庫処分や見切りセールを行いません。また、直営店以外の誰かに配布するといったこともしません。なので、これらを語る販売者がいたら、彼らは偽物を扱っている、ということになるので注意しましょう。
⑧アバクロンビーブランドの原点は、猟師や漁師向けの、厚く丈夫で、長持ちする洋服にあります。その姿勢は今も変わらず、ブランドに生きています。もしも手元にあるアバクロの洋服が薄かったり、ぺらぺらな安っぽいものであった場合、偽物の可能性があります。
⑨アバクロでは一般的に、決まったサイズ展開をしています。もしもアバクロの（正規品）洋服を買ったことがあるならば、Ｓ、Ｍ、Ｌほか、それらいずれかのサイズが『標準』となります。オンラインで転売されたものを購入した際、正規品と比べてあまりにもサイズが合わない場合、それは偽物の可能性があります。
⑩アバクロの商品タグはベージュ色です。黄色、白、茶色ではありません。もしもそうであった場合、それは偽物ということです。
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