5月にパリ、12月にダブリン、アバクロ旗艦店オープン予定

 今年もアバクロの海外展開には勢いがあります。海外での売上はアバクロンビー&フィッチ社の総売上高約20%(※)を占めるそうですから、絶好調と言えましょう。
 ヨーロッパでは既にロンドン(イギリス)、コペンハーゲン(デンマーク)、ミラノ(イタリア)にそれぞれ旗艦店がありますが、今年5月19日にはパリ(フランス)、12月にはアイルランドの首都ダブリンへの旗艦店オープンが控えています。ダブリンではこの出店に伴いフルタイム、パートタイムと合わせて200人〜300人規模の雇用があるそうで、早速明るい話題としてニュースに。
 また今年度の計画として、第3四半期にはマドリッド(スペイン)、第4四半期にはデュッセルドルフ(ドイツ)、ブリュッセル(ベルギー)、シンガポールへの旗艦店オープンが予定されています。
※アバクロンビー&フィッチ、ホリスター、アバクロンビーキッズ、ギリーヒックスの4ブランドを含む
(2011年3月3日)
ソース:2011年2月21日 www..businessworld.ie "Abercrombie to create up to 300 jobs"


福岡 天神にアバクロ旗艦店オープン

 本日(2010年11月11日木曜日)、福岡の天神にアバクロ旗艦店がオープンしました。日本では銀座に次ぐ2店舗目。マーケティング的には東・名・阪が優先されがちですが、今回は名古屋、大阪をすっ飛ばして福岡に。
 先週土曜日には、博多区にあるレベルファイブスタジアムで開催されたアビスパ福岡vs.栃木SCの試合をスポンサーし、会場に告知物を散りばめ大々的に宣伝。同じ週末、ストアモデルら(写真左)にアバクロンビー&フィッチの限定ノートブックを天神エリアで配らせ、オープン告知を頑張らせたようです。
 また、先日コペンハーゲンに旗艦店がオープンしたときと同様、先着500名に2千円分のギフトカード(買い物券)を配布。初日に大行列を作ってインパクトを出したいのは分かりますが、正直同じ芸だと面白くない……まあ現金に勝るものはない、ということでしょうかね。
(2010年11月11日)

デンマーク コペンハーゲンに旗艦店オープン

アバクロ コペンハーゲン旗艦店
 2010年11月4日、デンマーク、コペンハーゲンにアバクロンビー&フィッチの旗艦店がオープンしました。先着500名には150クローネ(約2,300円)分のギフトカードが配布されるという特典つき。ヨーロッパではイギリス(ロンドン)、イタリア(ミラノ)に続く3番目の旗艦店で、次はフランス(パリ)に登場予定。アバクロは着々と海外進出しています。
 デンマークでもアバクロ人気は高いようで、日本(銀座)同様、ファン待望のオープンとなったようです。ただし、アバクロの海外旗艦店における暴利行為には多少注意が必要。というのも、アバクロの海外旗艦店で販売される商品には、米国本土よりもかなり高い値段が付いています。一部の噂によると、海外旗艦店での売れ残りは米国に運ばれ、そこでセール品(クリアランス)として売られているとか。なので、海外旗艦店では『セール品』に期待ができません。それでも買うか、アメリカ旅行でまとめ買いするか。ちなみにまとめ買いにも制限があるので、こちらも注意が必要です。もっと自由に、米国と同じ価格で買い物させほしいですね。
(2010年11月4日)


A&F社米国内60店舗を閉鎖、海外出店拡大へ

 2010年8月18日の記事より。アバクロンビー&フィッチ社第二四半期の業績は、経済アナリストの予想よりも好調でした。が、同社は国内の採算ベースを下回る約60店舗を今年度(2010年会計年度)中に閉鎖することを決定。その大部分は賃貸期間の終了と同時、もしくは年度末に行われる予定だそうです。また、来年度には更に50店舗を閉鎖予定。その分、海外展開に力を入れるとのこと。今年度中に、A&F旗艦店をコペンハーゲン(デンマーク)と福岡にオープン予定。また、プエルトリコにも初上陸する予定です。ほかにも姉妹ブランドの海外出店計画が控えており、その資本支出の総額は約2億ドル=約171億円にもなります(詳しくはA&F社のIRページを参照)。
 手が届かない存在ほどあこがれも強くなりがちですが、容易に手に入るとなると? アバクロ海外店舗の、今後の成績がどうでるか楽しみですね。ちなみに同じく8月18日、アバクロのウェブ販売が好調であるとの記事がwww.internetretailer.comに出ていました。この第二四半期、総売上高17%増に対し、オンライン売上は50%増の、6900万ドル=約59億円に達したと発表。その売り上げに日本人がどれだけ貢献したかが興味深いところですが、詳細は不明です。
(2010年8月20日)

アバクロ銀座店は最高の成功例? 失敗例?

アバクロ銀座店のストアモデル というわけで2009年12月15日、東京銀座にアバクロ直営店がオープンしました(写真:Fashionsnap.com)。が、不思議と行く気になりません。知人曰く、「店内が暗い! 臭い! 外国人の店員が踊ってる!」。……え。
 知人の感想はさておき、私が知りたいのは海外からみたアバクロ日本進出の評価。
 ザ・ビジネス・オブ・ファッションというサイトに、『アバクロ、東京で失敗(的外れ)』(2010年2月4日)という見出し記事をみました。少し前の記事ですが、寄稿編集者W. David Marx氏による、非常に興味深い記事です。
 それによると日本開店初日、アバクロは五千万円稼いだとの噂も流れたほど好調な滑り出しだったとか。特に大きなオープニングパーティーやプレスイベントの開催なく、既存のアバクロファンたちで店は充分賑わったわけです。しかし、今後アバクロは日本で新顧客を獲得し、ビッグブランドとしてその地位を確立することができるのか? というのがMarx氏の疑問。
 今のところ、先行きはあまり良くない、と記事は続きます。ご存知のとおり、今はユニクロ、H&M、Forever21といった、比較的安価なファストファッションがブーム。にも関わらず、アバクロは米国の約2倍の値札をつけて、アバクロ商品を日本消費者に送り出したわけです。日経流通新聞によると、アバクロ開店初日に訪れた客の61.7%が値段を「ちょっと高い」、18.3%が「高過ぎる」と回答。適正価格だと答えたのは五分の一以下。賢い日本の消費者には、この
暴利行為は通用しません。
 日本進出におけるアバクロの問題点を、Marx氏は以下のように記しています。
 ほとんどの多国籍アパレル企業は現地パートナーと手を組むことにより成功を納めてきたが、アバクロは完全に独自の米国流リテール、マーケティング戦略をもって上陸。アバクロは『アメリカン』なブランド体験を優先させることを選び、その結果、店員のほとんどが(客に言わせれば)『日本人』ではない。店員は英語で接客にあたる。客は彼らが帰国子女であり、バイリンガルであることを期待するしかない。日本人にとって、英語を話すような状況を強いられることは、好ましくない。店員らは日本人特有の礼儀正しさに欠け、騒々しく、BGMに合わせて歌い踊り、決して広くはない売り場をより窮屈にしている。さらに悪いことに男性販売員の多くは、胸部を露出している。アメリカではそのセックス・アピールがブランドの魅力なわけだが、これは日本のファッション文化とは完全にかけ離れている。特に狭いエレベーターで胸をさらけだした男性と乗り合わせるのは、不快だろう。
 日本で成功しているブランドは、店員にブランド・リーダーとして、日本人が同ブランドの服を着るとどうなるかを(店員自身=日本人が実際に着用することで)見せている。この点でも、アバクロは失敗。
 銀座の旗艦店からもれる強いコロンの香りも、日本では逆効果。事実、2005年にNYタイムズ・マガジンでは『スプレーでなく、ディスプレーを』という記事があるが、これは日本人の強いコロンや香水の匂いに対する嫌悪について書かれたものだ。しかしアバクロは、そのシグネチャー・コロンを換気システムを通じて放出。服についたその匂いは、数日経っても消えない。
 まだある。銀座店に訪れた客はテレビの取材に対し、店内が暗くて商品の色がきちんと分からなかったと不満を口にした。暗い照明は1990年代のNYダンスクラブを演出したものだ。エレベーターは7階までしかなく、上階にある女性フロアまではさらに階段をのぼる必要がある。
 そして、最大の問題点。アバクロ商品にはA&Fロゴがブランド名を叫びすぎていて、日本人客が求めるおとなしさに欠ける。自分たちのライフスタイルに上手く取り入れる選択肢を、あまり提供していない。自分オリジナルのスタイルを作り出すブランドが支持される中、アバクロはそのブランドに『完全に染まる』か、『全く買わない』かの二者択一を迫る。
 最後に記事は、こう締めくくられます。アバクロの東京進出は、やってはいけないローカライズ方法の、最高のケーススタディになったと。最高の失敗例、ということです。
 日本消費者を甘く見るなよぅ! と、失礼ながら言ってやりたくなるのは、きっと私だけではないはず。アバクロは米国でよく『傲慢なブランド』と書かれますが、果たしてその態度が改められる日はくるのでしょうか? 東京進出から多くを学んでくれることを願います。
(2010年7月17日)

ロンドンのアバクロ店、販売価格は米国の倍

アバクロ ロンドン店のストアモデル 2007年3月、海外初の旗艦店としてオープンしたロンドンのアバクロンビー&フィッチ。そこで販売されている同ブランドの洋服ですが、どうやら本国アメリカに比べると、倍の値段が付いているよう。
 例えば、$59.50(=£29.48※)の半袖セーターやシャツが、イギリスでは£60。$49.50(=£24.53※)のデニムスカートは、£50(※為替は9月7日時点のもの)。
 海外出店を展開する多くのグローバルブランドは、イギリスを“高利益をもたらす『宝島』”と考える傾向があり、故に本国に比べ高額な値段を付けがちだとか。実際、Gapも同じような戦略を取っていますが、それでもアバクロのような数字にはなりません。
 海外出店にかかるコストや人件費、土地代等を考慮しても、通常価格が既に高いアバクロのことなので、倍となると……。日本上陸したときの価格設定が非常に気になりますね。[写真はロンドン店の店員。やはり、モデルばりのスタッフがずらり]
(9月7日2007年)


2009年 アジア旗艦店第一号が東京銀座に! ※ニュースページにも掲載しています

 今週火曜日(07年8月7日)、A&F社はアジア初進出となる旗艦店を、2009年暮れ、東京 銀座にオープンすることを発表しました。建物はNYの建築デザイン事務所、Annabelle Selldorfが手掛ける予定。同社は既に、A&FのNY、LA、ロンドンの旗艦店デザイン、内装を手掛けています(写真右-Annabelle Selldorfサイトより)。
 現在A&F社はアバクロンビー&フィッチを362店舗、アバクロンビーを186店舗、ホリスターを418店舗、ルールを17店舗、米国で展開中。海外展開としては、既に07年3月、ロンドン進出を果たしています。ロンドン店の売り上げは好調で、1平方フィート当たりの売り上げはNYの上をいくそう。今後、ヨーロッパではイタリアやフランスにも進出予定。2009年のアジア進出が待ち遠しいですね!
(8月10日2007年)


アバクロ日本進出は2008年末頃か?

アバクロと、その姉妹ブランド 2007年1月9日から10日にかけて、ニューヨーク州のウェスティンニューヨーク(タイムズスクエア)で、投資家向けの消費者会議『第5回コーエン&カンパニー年次消費者会議』が開催されました。アバクロンビーは、副社長兼最高財務責任者のマイク・クレイマーが、10日午後に同社をプレゼン。当日の模様やプレゼン資料はwww.cowen.comにあります(ウェブキャストを見るには要登録)。
 プレゼン資料には、国際展開の方向性についても触れていますが、この3月イギリスにオープンする旗艦店に注力していることや、2008年末の東京旗艦店設置を皮切りに、アバクロンビー・アンド・フィッチブランドのアジア進出計画があることなどが記されています。東京といえば、以前銀座に大きな壁画広告が掲載されていましたね。今も銀座エリア(と表参道)への出店は濃厚で、オープニングの際はNY五番街に旗艦店ができたときのように、盛大なものになるだろうと、クレイマーは語っています。また、海外進出はロケーションありきの話で、展開に見合った立地が絶対的に不可欠であるともコメントしています。

アバクロ海外旗艦店第一号はロンドン

アバクロ ロンドン出店予定地アバクロ ロンドン出店予定地  左の写真は、英国ロンドン。元ジル・サンダーがあった場所で、現在アバクロの旗艦店へとリモデルされています(2007年3月22日オープン)。その場所、Savile Row(サビル通り)はロンドン中心部、ウェストミンスターにある高級紳士服の仕立屋が多い街路。北米以外に旗艦店ができるのは今回が初めてで、次は、ヨーロッパかアジアに進出予定とか。ちなみに一説によると、『背広』という言葉は、このSavile Row(サヴィル・ロウ)の音がくずれたものだそうです。
 今回の出店に関して、「アバクロンビー&フィッチの人気は世界中の若者に広まりつつあり、その前評判が今後ロンドンでの売り上げに、それなりに貢献するだろう」と、A&F社は自信を示しています。2006年11月、NYにオープンした旗艦店を訪れる客の多くは外国からで、特にヨーロッパ人が目立つそう。このことから、海外にもかなりのポテンシャルがあると、ジェフリーズ(最高経営責任者)は自信を得たようです。一足先に出店したカナダも、順調。ジェフリーズがアナリストに語ったところによると、第一四半期におけるカナダでの一店舗分の売り上げは、米国のそれの3倍だそう。ないと余計に欲しくなる渇望感が、売り上げに勢いをつけたのでしょう。もしも日本に旗艦店ができれば、最初のインパクトは相当なものになると思います。








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