それでもアバクロ・ブランドに君臨し続ける男、ジェフリーズ

 「アバクロ・ブランドが追い求めるのは、カッコイイ子たち。魅力ある、いかにもアメリカ的で、友達の多い、素晴らしい姿勢の持ち主たちだ。アバクロに合う子はそういない。合えないんだ。」
 その率直かつ挑発的なコメントが物議を醸すことで有名な人物。それがアバクロの最高経営責任者(以下CEO)、マイケル・ジェフリーズ(写真右)。エネルギッシュな66歳曰く、「オレはジーンズを肩まで引き上げてはくようなじじいじゃないよ」。確かに、普通の60代とは一味違います。

 2009年9月、米国の企業統治調査会社ザ・コーポレート・ライブラリーが2008年度の『最も高給取りで、最もパフォーマンスが悪い』CEO5人を発表しました。その不名誉なリストに名前を連ねてしまったのが、ジェフリーズ。このとき、彼の報酬は7,180万ドル(約60億3,700万円)。その報酬のうち、600万ドル(約5億500万円)はアバクロに留まる『残留ボーナス』だったそうです。2008年といえば、アバクロの株価が一年間で71%以上も下落した年。正に、『最も高給取りで、最もパフォーマンスが悪い』CEOに相応しい成績としか言えません。チクチク。
 更に、2009年度には3,630万ドル(約30億5,200万円)の報酬を手にし、イクイラー社(米国の調査会社)が2010年9月に発表した最高給取り25人のリストにランクイン。何ともお金のかかる王様です。
 大金の使い道ですが、ジェフリーズはその一部を美容整形に当てているとか。正直どうでもいい話……ただ、アバクロというブランドの根底には、ジェフリーズの若さや美に対するただならぬ執着心があるんだなと。専門家によると、彼の顔はいじり過ぎて『人工的』に見えるそう。彼にとって『老い』とは、どうしても避けたい現実なのでしょう。

 ジェフリーズは2009年12月31日に引退する予定でしたが、その後の契約更新により2014年2月1日まで続投することが決まっています。どんなにお金のかかる王様でも、ジェフリーズなしのアバクロはあり得ない?
(2010年11月29日)

2009年9月28日 CNNMoney.com "5 most overpaid CEOs"
2010年9月29日 CNNMoney.com "25 Highest-paid men"
About.com: Retail Industry "Quotations from Mike Jeffries, Controversial CEO of Abercrombie & Fitch Stores"








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